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Writer's picturefuzuki hoshino

日記_0420-0423


4月20日(土)

京都の亀岡市で開催されたイベント「次の電車がくるまで」に栞日として出店の手伝いに行く。朝の4時に松本を出発して、車で5時間。集合時間ぎりぎりに到着して、みなさんに挨拶をしてから急いで設営。古い長屋を改装して造られた建物は、とても落ち着く空間で屋外も使ってみんなのんびりと店を開けていてとても雰囲気がよかった。


途中で店番を抜けて、大阪の中之島で開催しているNAKANOSHIMA ZINE'S FAIRに向かう。知っている顔に挨拶をして、気になっていたブースでいくつかZINEを買った。


久しぶりに書くことで自己表現をしている人たちの熱気に触れて、やっぱり私は文芸の中でやっていきたいと改めて思った。

慣れない電車を乗り継いで京都市内まで戻る。ご飯を食べて、銭湯に入って、早めに眠った。


4月21日(日)

早起きして、鴨川を散歩する。小雨が降っていたけれど、それも気持ちよくてずんずん歩いた。六曜社で朝ご飯を食べて、また亀岡に向かう。

イベント2日目は、雨が降っていてあまり客数は伸びなかったから、昨日購入したZINEを読みながらのんびり店番をしていた。

撤収作業をしてから、本を車に積み込み、また松本まで車で戻る。雨で濡れた高速道路の路面が鈍色に光っていた。


4月22日(月)

やることが結構溜まっていて、朝から集中してひとつひとつ終わらせていく。

午前中にほとんどの仕事を終わらせることができたので、自転車に乗ってシネマライツで映画『パスト ライブス/再開』を観た。


整体に行って、早めの夜ご飯を食べる。21時からオンラインで大雅君、真拓君と本の校正作業。明日の午前が入稿の期限なので、全部のページを3人で同時にチェックしていく。Google meetは1時間で切れてしまうので、切れたら10分休憩して、また繋いで作業をして……と繰り返して、気がついたら日付を越していた。集中しているからか、やたらと甘いものが食べたくなって家にストックしていたおやつを片っ端から食べてしまう。

目が乾いて、集中力ががくんと落ちる。加筆が必要な箇所の対応をしようとするも頭が働かなくて、変なことを書いて自分でけらけら笑う。深夜の妙なテンション。

深夜2時になって、やっと終わりが見えてきたので、残りは明日の午前にやることに。ラジオをつけると伊集院光の「深夜の馬鹿力」がやっていて、久しぶりにリアルタイムで聴きながらカップラーメンを食べる。たまにする不摂生は後ろめたさがあって楽しい。だけど眠気が限界なので、ベッドに倒れ込むようにして眠った。



4月23日(火)

頭が覚醒してあまり眠れなかった。真拓君と入稿前の最終チェックをして、いよいよ入稿。校了した達成感と、寝不足の疲れが一気にきて、奇妙なテンションになる。


Something tenderで翠さんと待ち合わせ。あやかさんが作ってくれたいちごのフルーツサンドを食べながら、会えてなかったここ1~2ヶ月の話をした。

外に出て少し散歩をする。缶チューハイを買って、川沿いで乾杯した。昨日見た『パスト ライブス/再開』の話をして、「心から幸せを願える相手がいる人生って豊かだよね」って翠さんが言った。大切な人がすこやかに幸せに生きていけることを祈ることができるとき、自分の心も一緒に満たされるような感覚になる。

たとえ相手のことを好きで、大切に思っていても、自分に余裕がなかったり、距離が近すぎたり、自分の中にエゴイスティックな気持ちがあると、なかなかそう思うことができなくて苦しい。

『パスト ライブス/再開』の最後のシーンで、初恋の相手と24年ぶりに再開したノラが彼と別れたあとに、泣き崩れる彼女の肩を夫のアーサーがやさしく抱いて階段を上っていくシーンの中に、自分の感情よりも目の前の大切な相手の気持ちに寄り添おうとする姿勢に深い愛を感じた。その愛は、もともとそこにあったものではなくて、自分が相手のことを「愛したい」と強く希求したから生まれた、愛への意志だと思った。


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