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  • Writer's picturefuzuki hoshino

生理痛がつらくて、それはただお腹が痛いっていうだけの事象のはずなのに、どうしてか情けなさとか、かなしさ?みたいな要らない情緒がまざってきて、感情がうるさい。

何もできないのに、痛みで眠ることもできないから、横になって漫画を読んでいる。


ひさしぶりに魚喃キリコの『ストロベリーショートケイクス』を読む。 恋愛的なところからはじまる、大きくて手に負えない情緒はもう自分からは縁が遠いだろう……と思って、マンガを売って、だけどしばらくするとまた「魚喃キリコ読みたいな…」ってブックオフで買って…とこの10年くらいで何度も繰り返している。

だからこの『ストロベリーショートケイクス』は何冊目のものかわからない。


子宮の痛みに耐えながら平日の昼間に、叶わなくて苦い恋とか、あこがれ、焦燥、みたいな、青い気持ちにたくさん触れていたら、心がすーんとしてかなしくなってきた。外はとてもよく晴れているのが部屋の窓から見える。


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毎朝4時くらいになると家の外の電線に信じられないくらいたくさんの鳥(たぶんカラス)がとまって、一斉に鳴き出してそこからどこかへ飛んでいく。

そして、夕方の18時くらいにも同じ現象が起きて、だいたい最近はそれくらいに空が焼けてくるから、なんだか終末みたいでこわい。


朝と夕にきっかりその光景が繰り広げられるのを私は見ていて、何かの群衆は自分にはわからない意図を共有していそうで恐ろしいと思う。


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予定がまるごと空っぽの木曜日。ずっと行かなきゃと思って、行くのをやめていた病院に行くことに。前回血液検査をしてから、一週間後に来てねと言われて、それから3か月が経ってしまった。向かいながら何か言われた時のために言い訳を考えようとして、途中で考えるのをやめた。数値は正常に戻ったと言われたけど、それは3か月以上前にせっせと薬を飲んでいた頃の私の体の数値で、今は気が向いた時にしか服薬できていないので、きっとこの見せられている数字は、今の自分にとってあまり意味を成さないだろうなと思いながら、先生の説明を聞いていた。


処方箋を出されたけど、現金を持っていなくて薬が買えなかったので、駅前のATMまで歩いてお金を卸そうとする。お財布をひろげると、銀行のキャッシュカードが入っていなくて、どっしりした機械の前に立ってどうしようか2秒考える。まあ、それならそれでと思って、何も買わず、来た道をそのまま戻った。来月また病院にいかなきゃいけないので、1か月後の今日のカレンダーに「病院」と入れておく。


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下腹部に鈍痛。生理痛ってこんなにつらいことだったっけ。普通に会社や学校に通ったりしていた頃はどうしていたんだっけ。


痛みの外側にどうやっても出られない感じ、からだ自体に閉じ込められているみたい。

痛いって体の一部が光ってるみたいに高音で鳴り続けているよう。そこに主張があるみたいな感じがする。いや、実際にあるのか、からだの主張が。

じゃあこれは、何?何を伝えたいんだろう。痛みと一緒に引き連れられてくる大きめの情緒の正体も、引き続き不明。


生理、とか、女性のからだを持っていること自体を理不尽だとは私は思わないけど、ここにあるかなしさ、みたいなものは一体何なんだろう。

今日も晴れているのに急に雨が降ったり、風がびゅうびゅう吹いたりしていて、なんだかずっと変な天気。

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朝、自然に目が覚めて、昨日は雨で一日家から出られなかったから散歩に行った。昨日の夜にたくさん降った雨で川は増水していて、液体のこんにゃくみたいな色の水がすごい勢いで流れていた。その力強さをとても近くで見て、ここに飲み込まれたらどうなるだろう、と考えたら怖くなって足の力が抜けてしまった。 イヤホンの調子がずっと悪くて左耳の充電がすぐに切れる。右耳からは友だちの声(podcast)、左耳はごうごうと鳴る川の音が聴こえている。


最近の考えていること、わかりあえないこと、でもわかってもらいたいこと。そういうのが頭の中を駆ける。自分の望み通りにならないことに対してみんなどんなふうに向き合っているんだろう。

いつかわかり合えると思っているから、こうやってずっと考えたり、急にかなしくなったりするのだろうか。

私は昔から時間をかけて何かをすることが苦手で、自分のペースでゆっくり進むひとに憧れがあった。彼らはどうしてそんなに時間をかけることができるのだろう、と思って、自分にはない、何か大きくて信じられるものをきっと彼らは持っているのだろうと思っていた。

いま思えば、私が憧れていたのは、その速度ではなくて、たぶん彼らが持っているように見えた信念みたいなものだった気がする。

遠くてぼんやりとしているのに、そこへ向かうことのできるたしかさ、みたいな力。 私には見えていない光のいろ。


今回のことは時間をかけてみたいと思っている。まだ見えてはいないけれど、先の方にたしかに、何かが息づいているのを感じることはできている。その何か、見えないものに向かって進むってことを私もやってみたい。


朝日昇るのがだいぶはやくなった。日差しがつよくて夏みたいだ、と思っていたけど、もう昨日から7月になったのだった。7月は自分の誕生月で、もうそれだけでうれしい。


文月という名前は、7月の暦からとられていていて、カレンダーやこの時期の広告なんかで自分の名前を見かけることがこの季節にはある。 それが自分のことを指している訳ではないとわかっているけど、なんだか祝福されているような気持ちになって、7月というだけで私はうれしい。


自分のことや、自分がすることを好きでいられないときもあるけれど、自分の名前のことは好きで、素直にすてきな名前だとずっと思っている。

そして自分の名前を信じられるということが、私の芯になっている気がする。



家に帰ったら昨日から泊まっていたうめちゃんが起きてきて「おはよう」と言う。 朝日がたくさん入るリビングで、なんだか夢の中にいるみたいだ、と思った。 7月に入ったことを意識した瞬間から、見える光が夏の色になって、いま見えているものと、それを感じている心の間には手のひら一枚分くらいのすき間がある。


今日、うめちゃんは朝から仕事で、てきぱきと歯磨きをしたりお湯を沸かしたり、自分の一日をはじめる準備をしている。私は散歩から帰って適度に疲れた体と頭で、その様子を見ている。

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ここ数日体調のことで不安があって、ずっとそのことに思考の容量を奪われている。

いろいろなことをネットで調べれば調べるほどに気持ちは重たくなる。そして、そうなることをわかっていて、やめないで続けている。自分は安心したいのか、不安になりたいのかよくわからない。


もしもそうなったらどうしよう…という不安がずっとある。 過ぎたことをいろいろ言っても仕方がないし、できるだけ今のことに集中したいけど、過去のことが目の前に、つまり今に浮かび上がるなら、それは今のこととしてちゃんと向き合って考えるべきことなのかな。それとも考えても仕方がないことだって、自分のよくない想像にこれ以上エネルギーを使わないように気持ちを切り替えるほうがいいのか(そもそもそれがうまくできたら苦しまない気がするけれど)。


いろいろなことを選ぶのがむずかしい、ぜんぶがすごく早くて、私には決めるのがむずかしい。呆けているうちに勝手に形が決まっていってしまうみたいで、どこに責任を感じたらいいのかよくわからない。

自分の不安をちゃんと受け入れたい。本当は誰かに話を聞いてもらいたいのかもしれない。


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美容院で髪の毛を赤く染めた。染色してもらいながら、次に書きたい小説の内容が浮かんでくる。内容と合いそうで書いてみたい媒体もあるので、気分がのったときに手を動かしてみたい。

髪の毛を手で触るとさらさらで、きれいな色になってうれしい。


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朝早い時間から起きて仕事をする。写真を組み替えたり、添える文章をぐるぐると考える。 寝起きの有吉さんに、この仕事をするときに自分が”童貞マインド”で取組んでいることを説明して、それから、ここで言う”童貞マインド”とはつまり、近づくことができないものへの憧れのようなものであって必ずしも異性への眼差しのことではない……みたいなことを一方的に熱っぽく話す。朝から童貞童貞言い過ぎと言われた。


わたしの原稿が煮詰まってお腹が空いたので、アベにモーニングを食べに行くことに。 結構雨が降っていたけど、外に出てみると案外気持ちよくて初めてアベに行く有吉さんもよろこんでいたからよかった。次は平日のもっと空いてるときに行こう。

午後は東屋で「30代をどう生き延びるか会議」。

そのあと昨日誕生日だった翠さんとご飯に行った。翠さんに「自分が生きているうえでメンターにしているアーティストや作品、人はいる?」と聞かれて、なんだかうれしくなる質問だった。 翠さんとタイか南米か、スマトラ島へ行こうという話になって、とても楽しかった。


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ずっと熱がからだに籠っている感じで、だるくて動けない。

ベッドでずーっと横になってる。春乃さんに最近の様子を聞いてもらったら、すこし元気でた。まずは自分のことを大切に考えること、他人のことはそれからで、あまり主語を大きくひろげて考えなくていい気がするよって言ってくれた。

朝から何も食べてなくてお昼すぎにミルクプリンを食べる。ご飯を作ったり食べるのが面倒くさい。 なるべく咀嚼もしたくなくて、やわらかくてあまり噛まなくてよいものばかり食べようとする。


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うめちゃんと本屋の棚卸作業をする。割と頑張ったので、ビールが飲みたくなってお店に入った。大きいグラスになみなみと注がれたヒューガルデンがうつくしい。

平日の昼間から酔っぱらって、へらへらできる生活は最高。落ち込むようなことがあってもうめちゃんと話せていたら大丈夫になるのでうめちゃんと友だちでいられてうれしい。


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母にはずっと小さなころから叶えたかった夢があって、誰かに言うことはなかったけれど、そのためにひとりで貯金を溜めていて、家の一番奥にある部屋の引き出しに溜めていた。

ふとした時に私がそれを開けてしまい、そこには何種類かのクレジットカードがあって(札束、みたいなことではなくて)紫と金色の巾着に丁寧に入れてしまってあるのを見つけた。

自分の家に似つかわしくない緊張した雰囲気を感じて、シャワーを浴びている母のところまで無遠慮に行き「これは何?」と聞くと、じっと目を見て「夢」と言われる、という夢を見た。

そのときの「ゆめ」という二文字の発声がとてもくっきりと耳に残っている。


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午前、突然掃除欲が湧いたので歌いながらリビングのクイックルワイパーをかける。ひさしぶりにちゃんと掃除をしたら気持ちがいい。Spotifyのシャッフル機能でチャットモンチーが流れてくる。懐かしくなってやっぱり歌う。


11時頃に有吉さんが東京へ出発した。来週からはわたしも東京にしばらく行っているので、今月はずっとすれ違いの生活。次回会うのは7月になりそう。 同居をしているけど、今月は6日しか会わなかった。




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