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Writer's picturefuzuki hoshino

20230306

ませの確定申告を手伝って、わたしは大量のレシートをひたすら撮影してfreeに登録していった。自分を囲うようにレシートが積もっていて、結界みたいになった。途中、どうしても眠くなってしまい力が尽きたので、その結界の中ですこし仮眠した。


夕方になって高円寺のVOIDに行く。相澤さんの写真と岡藤真依さんの絵の展示がとてもよかった。

気持ちが高揚してしまって、入口に貼ってあったふたりのステートメントが頭にうまく入らなかったから、もう一度落ち着いて読みたい。


展示を見ながら、岡藤さんの絵や漫画が、人生ではじめて出会うセックスの表現だったらよかったのに、と何度も思った。

岡藤さんの絵は、かなしい、情けない、せつない、愛おしい、くるしい、みたいな感情が一気に押し寄せて胸がいっぱいになる。それらが美しい線で描かれているから、やさしくて、さみしいのにずっとやさしい。


小学生くらいのときに何かの拍子で見たエロ漫画は、もうほとんどグロ…という感じで、世界の底を覗いてしまったような衝撃があった。これまでも性的なコンテンツは男性目線で描かれているものにしか触れる機会はなかった。だから、自分は女性でありながらも女性を消費するような目線で見てしまうことが未だにあって、その矛盾がたまにとても苦しい。自分の性欲との付き合い方がずっとわからない。

はじめて友だちに見させられたAVもとにかく女性の体が痛そうで見続けるのが無理だったし

、行為中の声は、今まで聞いたことない人間の声色でほんとうに泣いているんだと思っていた。ここから自分が成長したら、この映像の中の女性のポジションになってしまうのか、と思うと大人になることは恐怖しかなかった。

それでも体は勝手に成長するし、性的に眼差されることにも、眼差されないことにも同じくらい傷ついたりしたからまじでどうしたらいいんだ、という感じだったけど、それを誰かに伝えることもできなくてすごく苦しかったな。


扱う上でのむずかしさはものすごくあるし、わからないことだらけだけど、展示を見てから、性についてもっと考えたり、表現していくことの可能性を感じられたし、自分の中にもっとひろげてみたい領域があるのを実感できたことや、取り組んでいる作家さんがいることが希望みたいに思えた。


『セックスははしたない』という事を人々に忘れて欲しくない、と岡崎京子がどこかで書いていたのを思い出す。生きるためにすることのすべてが、わたしにはすべてはしたなく思える時がある。

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