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  • Writer's picturefuzuki hoshino

日記 1/16-26

1月16日(火)

年明けから書いた日記をホームページで公開するということを続けてやっていた。

日記は、自分の感情の整理やできごとの記録のためにやっていたはずなのに、気付いたら見られていることに意識がいってしまっていて、書いている自分と書かれている自分の乖離を感じるようになってきた。日記のリアルタイム性はおもしろいけど、私はそのできごとの延長の中で生きているから、その生煮えみたいな状態を人に差し出すことが、自分のメンタルにとってはあまりよくなくて、無意識に削られていくような感覚になることが段々とわかってきた。

書きたいけど、まだ読まれなくないことがあるし、本当に読まれていいのかわからないことに対して気持ちの決着がつかないうちは、すべてを不特定多数の人に公開するのはやめようと思う。今日からはまた元に戻して、自分のために、自分の気持ちを書いていくことにする。


朝からずっとどんよりしていて、何もかもがうまくいかないような鬱屈した気持ちでいて、有吉さんにもいらいらしてしまった。DVDで『アフターサン』を見た。ずっと自分の心がしんどくて内容が入ってこない。急にパウンドケーキが食べたくなって、家にあるもので焼いてみたけど、オーブンから取り出すときに火傷して泣きたくなった。何もかもがうまくいかなくて、ぜんぶやめたいし、自分が何をしたいのかわからない。こんなにいらいらするのは、ピルを飲み忘れ続けていることが原因かもしれない。ホルモンバランスがあきらかに崩れている。


1月20日(土)

外は霧で真っ白。冬の匂いがする。今日は雪がふるらしい。いまは朝で、すごく穏やかな気持ち。この穏やかさを言葉にしたくない、できればずっととっておきたい。

もう何日も晴れていないから、そろそろ太陽が見たいと思う。

本当はそこにあるはずの太陽のこと、ここにいると無いような気がしてしまう。本当はある、というのはどういうことだろう。ここにあるのを知っている、ということは、思い出すこと?

ときどき私は、実は全部を最初から知っていたんじゃないかって思うことがある。それは感覚的なことでうまく説明ができない。


1月22日(月)

朝起きれたので、「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」を聴きながら川沿いを散歩する。人がいなくて誰ともすれ違わなかったけど、普通に声を出して笑ってしまった。


洗濯を回したのに、ずっしりしてつめたくなった服を触るのがいやで、時期を逃し続ける。重い腰を持ち上げて洗濯機へ向かう。蓋をあけるとばらばらの衣服が激しく回されて、ひとつの大きくて重たい塊になっている。それを頑張って持ち上げてカゴに放り込んで、運び、一個になったそれを解体していく。ヒートテックの袖と、レギンスがぐるぐるに絡まって、これだから冬は!って憤りながら絡まりをほどいていく。干そうとしたら、前回の終わった洗濯物がピンチにまだ干しっぱなしで、それをぱちぱち落としてから、やっと干す段階まで辿りつけた。


午前中一回だけすごく外が明るく光って、晴れた!と思って気持ちを昂らせたらすぐにまたぶ厚い雲がやってきた。今日はその繰り返しみたいな、落ち着きのない日。


夜は家にあった野菜を煮込んでポトフをつくる。煮崩れてぐずぐずになったブロッコリーと最後に入れたパクチーがおいしい。大したものじゃないけど、久しぶりに自分で自分のために料理を作って食べた。


1月24日(水)

週末の展示の準備をしていて、おなかが減ったのでフレンチトーストを作ろうと卵を割ったら、中身をごく自然な流れでゴミ箱に捨てかけて「あー!」って声が出た。ぎりぎりのところでバットの中に落として、事なきを得る。フレンチトーストと一緒に薄く切ったりんごとベーコンも焼いて食べた。

最近ずっと頭の中がうるさくて、集中力が足りてない気がする。

自分が大切にしたいと思ってることをわかってもらえないのはかなしい、と数日前に思ったことを思い出す。それから、前に友だちが電話で「私は自分がこうしたいってことばっかりで、誰かの気持ちのことを一度も考えたことがないのかもしれない」って言っていたことも、一緒に引っ張り出されるように思い出していた。


1月26日(金)

寒いからか景色がものすごくくっきりしていて、山が迫ってくるように見える。真冬のきっぱりとした空の青。今日はよく晴れているから、光がたくさん当たりそうな道を選んで歩いた。


午後からは展示の搬入。屋根裏の部屋をみんなで掃除して、自分のスペースをつくっていった。

久しぶりに初対面の人と話をして、ばきばきに人見知りを発揮してしまう。それが予期せぬことだったので、若干落ち込みそうになるけど、夜もイベントがあるのであまりそれについて考えないようにして手を動かした。


夕方から栞日に移動して、Monthly Writing Clubの準備。その月のことを振り返って、何かを書いてきて、持ち寄って、それを読み合うという会を今年からはじめることにして、それの第一回目。

自分が企画者だと、来てくれた人が楽しんでくれているかどうかがどうしても気になってしまって、いい時間を共有できたと思いながらもお風呂に入りながら「大丈夫だったかな(たぶん大丈夫…)、あの人は楽しめていただろうか(わからない)、自分の発言は誰かを傷つけていないだろうか(わからない)」と、不安と大丈夫のあいだを何度も行ったり来たりしていた。どれくらい入っていたのか、お湯は冷めてしまって、取り残された子どもみたいな気持ちでじっと水に沈んでいた。


布団の中で目をつむると、帰り道に見たあかるい満月の色が目の裏に残っている。 だいたいいつも満月のときに生理になって、そのたびに自分のからだは容れ物なんだと感じる。


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